『Annie』
『ハリーポッター』
『奇跡のシンフォニー』
↑この3つの映画に共通しているのは「家」と「子供」です。主人公の子供は自分の本当の家がありませんが、住むところはあります。
アメリカ・ニューヨークではこの住むところすらないホームレスの子供達が、2015年に2万5000人を突破しました。
映画の子供達は最後にはハッピーエンドをむかえますが、ニューヨークのホームレスの子供達にはハッピーになれるのでしょうか。
アメリカで子供のホームレスが増えている現状
2015年3月19日にアメリカのホームレス支援団体『ホームレスのための連携』が公開したレポートに衝撃的な数字がありました。ニューヨークには……
2万5,000人のホームレスチルドレンがいるという現実
Annieも奇跡のシンフォニーも、映画の舞台はニューヨークです。さらに、ショッキングなのがアメリカ全土のホームレスチルドレンの数です。2014年の推定で250万人。
ちなみに、ハリーポッターの舞台であるイギリスでは推定13万人の子供達がホームレスの状態だそうです。
子供のホームレスは大人のホームレスに比べて、人身売買や虐待といった犯罪被害に遭いやすいという負の側面があります。
また、子供時代のホームレス経験は心的外傷(トラウマ)となり、発達の遅れや教育の遅れにつながってしまいます。
こうした問題は大人になってから生きにくくなってしまうことにも繋がってしまいます。
アメリカで子供のホームレスが増えている背景
なぜ経済大国アメリカで子供のホームレスが年々増加しているのでしょうか。
映画の主人公たちは孤児であることも共通していますが、アメリカのホームレスの子供達は孤児であるケースよりも家族でホームレスになっている割合の方が上です。
アメリカのホームレス者の労働状況は約3分の1が仕事を持っています。日本のホームレスと異なり、きちんとした会社で給料を得ているのです。しかし、それでもホームレスになってしまうという現実があります。
その原因は「住宅賃貸費の上昇」と「地区の再開発による高級化」です。定期的に給料を得ていても、住宅の賃料が高いがためにやむを得ずホームレスになっている家族が増え続けているのです。
イギリスでも同様の理由に加え、住宅手当の上限設定や凍結がホームレスチルドレンの増加に、大きな影響を与えていると指摘されています。
ホームレスの子供達を救うためには
アメリカもイギリスもホームレスチルドレンの問題は社会問題として対策を講じていますが、結果に結びついていません。行政や企業の支援だけでは足りないのが現状なのです。
ホームレスチルドレンの増加は将来的な国力の低下にもつながります。
満足な教育を受けられない子供達が増えてしまい、結果として賃金の安いブルーカラーの職業にしか就けなくなってしまうのです。
賃金が安い人が増えるということは、税金の額が減ることにもつながります。結果として行政サービスに使われるお金が少なくなり、国力が低下してしまいます。
こうしたホームレスチルドレンを救うためにはやはり「お金」と「仕組み」が必要になります。支援金を得たとしても、そのお金を子供達の将来に有効に使える仕組みが整っていなければ、お金を捨てているのと同じ。外交や各国の連携が主なニュースとして連日報道されていますが、それはしっかりした社会があってのことです。
超大国アメリカとイギリスだけではありません。日本も対岸の火事と思わずに、ホームレスの子供を保護するためのセーフティネットの確立と浸透が重要なのです!
家があって教育がある
冒頭で述べた3つの映画にはそれらがあってハッピーエンドをむかえました。
リアルな社会でも、1人でも多くの子供達がハッピーになれる社会にするのは、私たち大人の責任なんです!(๑❛_❛๑)
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