2020年の東京オリンピックを前にホームレスが消えた!?

2020年の東京オリンピックを前にホームレスが消えた!?

「タヌキだってがんばってるんだよォ」

 

数あるジブリ作品の中でもマニアックな部類に入る『平成狸合戦ぽんぽこ』。この映画のラストに、若かりし日の9代目林家正蔵(当時林家こぶ平)が声優を務める狸のポン吉が、視聴者に向けてこんな投げかけをします。

 

あの…テレビや何かで言うでしょ。「開発が進んで狐や狸が姿を消した」って。あれ、やめてもらえません?そりゃ、確かに狐や狸で化けて姿を消せるのもいますけど、でもウサギやイタチはどうなんですか?自分で姿を消せます?

引用元:平成狸合戦ぽんぽこ

 

今、世間を賑わせているのは、2020年におこなわれる東京オリンピックです。そして、東京オリンピックの準備が進むにつれて、こんな見出しが世の中に出回りました。

 

東京五輪を前にホームレスが姿を消す

 

一体どういうことなのでしょうか。

オリンピックVSホームレスは誰が作った?

1996年のアトランタオリンピック、2012年のロンドンオリンピックで社会問題化したのがホームレスです。

アトランタでは10,000人以上のホームレスが逮捕され、ロンドンではオリンピックの再開発に伴い新たなホームレスを増やしてしまいました。

2020年の東京オリンピックを前に、ワイドショーで取り上げられる「オリンピックVSホームレス」という構図は、日本に限らず世界中のオリンピック開催国で問題になっているのが現実です。

 

しかし、こうしたオリンピックVSホームレスの構図をあからさまに作ったのは、ワイドショーや新聞、週刊誌によるマスコミであり、オリンピックが開催される国が問題なのでは?という意見がインターネットを中心に多くなりつつあります。

 

〇〇VS△△という分かりやすい構図は、ワイドショーでも取り上げられやすく、また議論の対象としてもオイシイ材料です。


マスコミで取り上げるからこそ、行政も動かざるを得なくなりますし、強制退去でホームレスの人に怪我でも負わせるようなら、それもマスコミの格好の餌になり得ます。

オリンピック特需といえば聞こえはいいですが、ホームレス問題はもっと根深い所を探っていかなくてはならないのです。

 

首都浄化が進んでいる現状について

首都浄化。

そもそも「浄化」という言葉は、汚いものを綺麗にするという意味で使われます。
ホームレスの保護や支援をおこなう福祉の立場からすると、浄化という言葉は「最低限の生活を維持できない人を支援すること」として使われています。

日本で最もホームレスの人数が多いオリンピック開催都市東京都では2024年、つまりオリンピック開催から4年後までに「ホームレス・ゼロ」という数値目標を掲げています。


行政による自立支援計画の推進や生活困窮者自立支援法、生活保護法を活用してホームレスをゼロにするというのです。

 

しかし、そのホームレス・ゼロ計画が新たに貧困ビジネスとして暗躍しているのをマスコミは報じていません。宿泊所を与えて生活保護を受給させ、その受給されたお金を搾取するという悪質なビジネスがおこなわれているのです。

 

マスコミはいたずらに「オリンピックVSホームレス」を煽っていますが、人道的、道徳的な視点で見れば、こうした貧困ビジネス被害にスポットを当てるべきなのではないでしょうか。それが「健康で文化的な最低限度の生活」以上の社会的立場にいる者のつとめだと思います。

最後にこれだけ

平成狸合戦ぽんぽこは、再開発で住みかとなる森を守る狸たちの戦いを描いた作品です。

最終的に戦いに負けて住みかを追いやられてしまいますが、人間に化けられる狸は人間社会の中で必死に生きようと努力しています。

ホームレスは狸でもウサギでもイタチでもありません。人間です。平成狸合戦ぽんぽこの「タヌキだってがんばってるんだよォ」というキャッチコピーは、コピーライターの糸井重里さんがつけたものです。

 

「ホームレスだってがんばってるんだよォ」

 

そんな上から目線でキャッチコピーは付けられません。東京オリンピックをきっかけにして、国やマスコミ、ホームレスが住んでいる地域の人たち全体がホームレス問題を解決する姿勢が求められています。それが無ければオリンピックの影響で強制退去になってしまい、住んでいる場所を追いやられたホームレスの人たちの社会復帰はあり得ません。


世界中から注目を集める東京オリンピックは、開催後の社会インフラ整備でも注目を集めている事を忘れないでほしいと思います!(๑❛_❛๑)