九州最大の若者の街「天神」。
西鉄天神駅周辺にはカラオケ店や漫画喫茶、ゲームセンターなどが軒を連ね、大型デパートも隣同士で何軒もあるコンパクトなビッグシティです。
そんな天神には、ホームレスが住んでいます。おしゃれな近代都市におよそ似つかわしくないホームレス。ふとここで、あることに気がつきます。
女性が圧倒的に少ない。
あまりピックアップされないホームレスの男女比。そこには重大なリアルがありました。
ホームレスの男女比率
ホームレスの社会復帰に貢献することを目指す世界的な企業『ビッグイシュー』。そのビッグイシューが発表した日本全国のホームレス男女比を見て驚きました!
平成30年の調査によると……
■男性4,607名
■女性177名
■不明193名(髭や髪などで性別が判別が不可能な人)
合計4,977名で、女性比率は不明者を合わせても約8%という結果。ホームレスの人というのはホームレス同士のコミュニティで助け合いながら生活している人がほとんどです。
何十人規模の集落というよりも、数人規模のコミュニティが多いですが、その中に女性は多くて1人程度というのが男女比率から読み取れます。
なぜ女性は少ないのか?
それでは、そもそも女性ホームレス比率が低いのはなぜなのでしょうか。理由は男性ホームレスとの「3つの違い」が影響しています。
■体の違い
■心の違い
■社会の違い
体の違いとは、身体的な部分と商業的な部分です。
女性には生理があり、経血の処理をしないと性病になる可能性が高くなってしまいます。
収入がなく、健康保険にも加入できないため、1度病気に罹ってしまうと重症化する可能性も高くなってしまうのです。
商業的な部分というのは、収入を売春行為に頼っている点が挙げられます。
男性と違い、日雇いの力仕事や空き缶拾いなどの仕事よりも手っ取り早く収入を得られるという現実あります。
しかし、性病などに罹っても、先ほどの生理の問題と同じように収入と健康保険が無いため、重症化するリスクが高くなるのです。
心の違いとは、他者へ助けを求める事への抵抗が少ないという点を指します。
男性の場合は、ホームレス前の仕事やプライドなどが邪魔をしてしまい、他人に助けを求めるという行為自体をタブーにしていることがホームレス人口の増加につながっています。
女性の場合は、行政やNPO法人などホームレスをサポートする企業や個人に躊躇なく助けを求める人が多いようです。生活保護受給者の男女比で女性が圧倒的に多いのもこうした心の違いが影響しています。
最後の社会の違いは、女性ホームレス者をサポートする環境や施設、対策などが男性よりも充実している点が挙げられます。
虐待やDVをする男性から身を守る保護施設などが充実しているため、女性ホームレスは男性よりも早期に社会復帰が可能なのです。
女性がホームレスになる危険性
男性との違いからホームレスの男女比が違う理由が分かりましたが、女性がホームレスになるのはかなりリスクが高いといえます。ただでさえ野宿は体力を奪う上、性犯罪などの被害に遭いやすくなります。
女性自身も「ホームレス=危険」という認識があるため、ホームレスにならざるを得なくなったとしても、何とかしてホームレスを回避しようという意識が強くなるのです。
それが結果的にホームレス女性の比率が少ないという現状につながっているのでしょう。
以上です。いかがでしたでしょうか。
現代社会のリアルは女性ホームレスの絶対値に反映されています。女性を保護する環境や、女性の選択肢がここ数年で増えた事も大きな要因です。ホームレス者を全員保護するのは難しいのが現状です。
その中でも女性に対する保護が行き届いているのは、日本の女性に対する保護意識がホームレスの社会にまで浸透しているという縮図ではないでしょうか。(๑❛_❛๑)
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