定まった住まいを持つことなく生活しているホームレス。
「どうせ仕事のできないクズ人間なんだろ?」
そんなイメージを持っている人もいるでしょう。果たして本当にそうなのでしょうか。TVなどのメディアでその存在を紹介されることはありますが、実生活の様子が語られることは多くありません。
そこで!ここではホームレスの実態について超分かりやすく!超詳しく!解説します。
やっぱりホームレスのことなら現役ホームレスに聞いたほうがいいでしょう。……ってなわけで僕がガッツリ書きます。図書館のWi-Fiをパクって書きます。
ホームレスの定義ってなに?
まずはホームレスの定義から。日本で法的に定められているホームレスの定義は以下のとおり。
都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場所とし、日常生活を営んでいる者
なるほど。要するに漫画喫茶やネットカフェ、サウナとか、ファミレス、友人の家などに寝泊まりしている人は含まれていないというわけね。
ただ、僕の中でコレは違う。家がなければ“ホーム”を“レス”してるわけだからホームレスとして考えていいでしょう。なので、「居場所を失った全ての人」がホームレスって考えています。そして、このホームレスを2つの種類に大別するとすれば……
自立経験のあるホームレス
今まで普通に働いていて自活していたが、何らかの理由で失業してしまい、家賃が払えなくなったタイプ
自立経験のないホームレス
いじめや虐待、何らかの障害などが原因で実家に暮らしていたが、親の死や家族との仲違いなどで家を失ったタイプ
こんな感じです。ちなみに最近では後者が増えている傾向にあります。要するに1度もひとり暮らしをしたことのないホームレスですね。
国によっても異なるホームレスの定義
実はね。ホームレスの定義って各国でちょっと違うんですよ。例えば、イギリスの場合、ホームレスの定義が日本より広い傾向にあります。
「家があっても経済的な理由で維持できない人」や「友人の家に暮らしている人」、「28日以内に家を失う可能性のある人」なども該当します。
つまり、不安定な居住の状態にある人や住宅喪失リスクのある人もホームレスというわけです。
現役のホームレスって何人くらい?
厚生労働省の発表した調査によると、全国のホームレスは2018年で5,000人程度。2014年から比較して大幅に減少していることが分かりますね。「へぇ~ホームレスって減ってるんだぁ~」
ち・が・い・ま・す!!
実は安定した住居がない状態で漫画喫茶やネットカフェを利用する人は、都内だけで一晩に4,000人はいると推計されているんですよ(2018年の東京都調査)。俗にいうネットカフェ難民ってやつね。
つまり、統計に現れない「隠れホームレス」の数を合わせると、甚大な数の人がホームレスとして不安定な毎日を過ごしているということです。ちなみに僕も隠れホームレスってやつです。
なぜホームレスになってしまうの?
当然のことながらホームレスになる理由は人それぞれ。
ただし、ある程度の共通点があります。 それは「雇用政策や景気など社会的構造の影響を受けやすい状態にあること」、「生活課題を抱えたときに適切なサポートが受けられずにいること」の2点。ちょっと難しいんで、それぞれ説明しますね。
林田タクシー調べによると、90年代のホームレスは、その多くが製造業や建設業で非正規職員を経験していました。こういった社会構造の影響は、2004年の製造業派遣解禁など労働政策の動きによるところが大きいとされています。非正規労働者が景気の悪化を受けて「はい!クビね!」と契約を打ち切られる事例として、2008年のリーマンショックを覚えている人も多いでしょう。
また、必要なサポートが受けられないこともホームレスになる原因として挙げられます。虐待家庭における養育や金銭問題、障害や精神疾患などの生活課題を抱えながら、適切な公的支援につながらないケースです。
ちなみに超個人的な話にはなりますが、僕がホームレスになった理由については……
↑こちらの記事を読んで頂ければ書いてあります。まぁ、簡単にいうならキャバクラとアイドルですね。原因は。最低のクズ野郎ですよホント。
ホームレスになった理由アンケート
ホームレスになったきっかけを実際に聞いてみました。
■後の祭りさん(60代男性)
昔はね。オイラも建築現場でバリバリに働いていたんだよ。でも怪我で足をやっちゃってさ~。どうしても働けなくなっちまったんだ。体を使う仕事なのに体を壊しちゃ~ざまぁねーわな!ガッハハハ!ほかの現場仕事を探したけれど、不景気で雇ってくれるところがなかったよ。そんでホームレスってわけ!
■キャンタマ次郎さん(40代男性)
30歳で脱サラして飲食店を始めたんです。嫁と2人で。だけど不景気で店がつぶれちゃいまして、家賃が払えなくなってホームレスになりました。もちろん離婚です。
■破天荒ジャーニー(30代男性)
気づいたら路上で寝てました。派遣で働いてたけど、クビになってから散々ですよ。
■弱気なハイエナ(50代男性)
昔は公務員でした。しかし、投資に失敗したり、出会い系のサクラにも騙されたりして、公金に手を出してしまい、逮捕。出所後、ホームレスになりました。
■アキラ・スズキさん(70代男性)
年金でアパートを借りて生活してたのよ。でも認知症になったのよ。その入院中にアパートの契約を解除されてしまってね。年金の通帳は親族が握っているので帰るところがなくなってもう野宿しかないってなったのよ。
ホームレスってどのように暮らしているの?
「ホームレスってどうやって暮らしているの?」って疑問があると思います。 僕は仲の良いホームレスが少なめな1匹狼タイプになるので、あまり他の人がどういう生活をしているかは知りません。
……ってことで、住んでいる場所について厚生労働省の発表したデータをまとめました。
こんな感じ。まぁ、イメージ通りって感じですよね。やっぱり河川は多い結果になっております。
それでは次にお仕事についてです。当然のことながらホームレスだからといって生きていくためにはお金が必要なので、働いている人が大半です。
基本的には派遣や日雇いの仕事をしています。見たことある人も多いと思うけど、アルミ缶を集めてリサイクル業者に売ったり、捨てられた雑誌を拾って露天商に売ったりなど……。これで月に数万円程度の収入を手に入れて暮らしています。
そのほかにも少数ではありますが、各地の支援団体の炊き出しや役所でくれるクラッカーなどを食べて生活している無職ホームレスもいます。主に自販機のお釣りを念入りにチェックしてるホームレスがここに該当します。ステレオタイプのホームレスですね。正直ホームレスの中でも僕はこういう人を下に見てます。せめて努力はしろよと。
ちなみに何でも屋をやってる僕はホームレスにおけるカーストの中ではわりとリッチなほう。スマホとノートPC、車は持っているから。ただ、最近ではこういったリッチホームレスが増えているのも事実です。
『ビッグイシュー』の販売もホームレスの収入源
駅前の路上とかで売られている『THE BIG ISSUE(ビッグイシュー)』って雑誌を知ってますか?
これはホームレスだけが販売できる雑誌。1冊350円で販売すると、180円がホームレスの収入になります。本当に大事な収入源です。見かけたら少しだけ足を止めてあげてください。少しだけ話を聞いてあげてください。これはどうか世間に広まってほしい情報ですね。
「350円で社会を変える? ビッグイシューのあゆみ」
1度でもホームレスになったら終わりっす
言っておきます。ホームレス状態から抜け出すことはメチャクチャ難しいです。僕の場合、ホームレスになって1年ちょい経ちますが、まだ抜け出せずにいます。抜け出せそうな気配すらありません。だから声を大にして言いたい。
絶対にホームレスにはならないでください!!
これはマジでそう思う。
「社会から離れることができてストレスフリーでしょ?」なんて言われることがあるけど、バカなこと言ってんじゃねーよって感じです。そんなことは一切ない。むしろ常にストレスを感じている。常に日曜ではなく、常に月曜。あのどんよりした“死にたい気持ち”が常に心にある。
あなたは会社と戦っているかもしれません。でも僕らは社会と戦ってるんだ。「会社」より「社会」のほうが果てしなく大きい。とてつもなく強い。それだけは知っておいてもらいたい。
ホームレスになった瞬間に人間として0になるんです。1だったらいい。でも0はダメ。0は何を掛けても0だからです。
例えるなら洋服。1着でも持っていれば、新しい洋服を買いに出かけることができる。しかし、0だったらどうでしょうか。無理なんですよ。裸で外に出ることはできない(ネットで買えばいいとかいう屁理屈はやめてね)。だからどんな最悪な状況になっても0にはなるな。1にしがみつけ!!
そして……
ホームレスから抜け出すことが難しい理由もお伝えします。
まずは収入を得るための仕事を確保できなくなること。履歴書はもちろんのこと、身分証や住所もないので仕事の選択肢は非常に少なくなります。
次に生活の基盤となる住まいの確保ができなくなる問題。もし収入があっても、まとまった初期費用の用意や保証人の確保が難しいこと、現住所がないことから、家を借りることが困難になります。
さらにホームレス状態になってしまうと、そのストレスによって「うつ」などの精神障害を抱えてしまうケースも少なくありません。とにかくホームレスになってしまったら終わりなのです。
……とはいっても救いの手はある
打つ手なし!というわけではありません。どうしようもないホームレスは行政の支援策を利用することになります。支援策としては主に就職を目指す「自立支援事業」と、最低限の生活費と家賃、医療費などを補助する「生活保護」の2つがありますので覚えておきましょう。
自立支援事業を利用して就職活動をすることによって、有資格者などを求めている企業が見つかる可能性があります。
ベテランホームレスのハルちゃんにインタビュー
あまりホームレス仲間が多いほうではない僕ですが、ハルちゃんだけは別です。ハルちゃんは新宿を拠点に路上生活をするホームレス。もう15年くらいホームレス生活を続けているベテランになります。
「林田くん。小田急の冷水機で水飲まない?」
これがハルちゃんの口癖です。あそこの水は冷たいんですよ。そんなプチ情報もハルちゃんが教えてくれました。そんなハルちゃんに聞いた話を見ていきましょう。
Q.なぜホームレスになったの?
A.昔はね。警備員の仕事やタクシードライバーなどの仕事をしてたんだけど、どちらも頭を使うでしょう。だからどうしても仕事ができなくなってね。そのときには両親は死んじゃってたから、頼れる身内もいなくて路上生活になってしまったよ。
Q.なぜ仕事がうまくいかなかったの?
A.やっぱり頭がついてこなかったね。最近分かったんだけど、てんかんの症状によって、仕事中に意識を失ってしまうことがあったの。自分ではそのことにも気づかなかったですが、周りから「今、寝てたでしょ?」と言われてしまうんです。それで上司からの怒られることも多くなって、気づいたら対人恐怖症のようになってしまったってわけ。
Q.持病によって苦しんだことは?
A.例えば学生時代。意識を失ってしまうことで、先生やクラスメイトに「あいつ授業中に居眠りしてるじゃん」と勘違いされるパターンが多かったね。考えてみれば、昔からホームレスになる才能があったんだろうなぁ。まぁ、サラブレットってやつよ。
Q.目の下が黒いし、歯がガタガタだし、もしかしてクスリでもやってます?
A.やっ、やっ、やってねーよ!(汗)ほっ、ほっ、ほんとに!マジで!マジで!(大汗)やっ、やっ、やっ……やってねーかんな!(焦)
…。
……。
………。
やってんじゃねーか。
以上!ここまでホームレスについて詳しく書いてきました。 基本的にはホームレス生活を早く抜け出したいと思っている人が多い傾向にあります(あくまで基本的には)。もし街で見かけたらサポートしてあげてください。僕らは確かに「ホームレス」かもしれない。でも「ホープレス」ではないのです。希望を失ってはいないんだ。
よろしくお願いします。
そして、もう1点。もし僕らを街で見かけたときにはネタにしないでください。
例えば、「ホームレスに酒を奢ってみた」といった感じでSNSのネタにする人がいるんです。YouTuberとかもいますね。ホームレスの中には、自分たちがネタにされてることに気づいてない人は多い。つまり、そういう人をネタにするのは詐欺と同じだ。Win-Winとか思ってんだろうけど、全然違う。消えろ。
何卒!(๑❛_❛๑)
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