どうも。林田タクシーさんの弟子の林田タクシーJrです。
私、個人的に好きなドラマがあります。『時効警察』というドラマなのですが見た事がありますか。
ざっくりいうと、犯罪の時効が迫っている事件を解決するというストーリーなのですが、あと●分!というスリル感はちょっと病みつきになります。病みつきになってほしくないのが「借金の時効でスリルを味わう事」です。はっきりいうと、借金の時効成立はかなり難しいのです。
借金の消滅時効と時効援用とは
借金は踏み倒せますというと語弊がありますが、事実として借金には時効があります。
最長でも10年間返済していない状態が続くと貸した側は返済請求の権利を失ってしまうのです。これを「借金の消滅時効」を呼びます。
しかし、この消滅時効を適用させる為には時効援用という手続きを行なわなくてはいけません。
時効援用とは、借金をした相手に「借金の消滅時効の援用を通知する」行為です。口約束ではなく、郵便局の内容証明などエビデンスが残る形で通知するのが一般的です。
また、忘れられがちなのが「いつから」10年なのかという起算日です。起算日には3種類あり、それぞれのカウント方法が異なります。
■返済期日が決まっている借金…返済期日の翌日を1日目とカウントする
■返済期日が決まっていない借金(例:退職金が振り込まれたら返済するなど、出来事で借金返済を約束する場合)…出来事が起こった翌日を1日目とカウントする
■返済期日を決めていない借金…借金をした翌日を1日目としてカウントする。※注→1度でも返済すると最後の返済日の翌日から1日目としてカウントし直される。
貸金業者や銀行などの借金は返済期日が決まっている借金に分類され、個人間の借金は返済期日が決まっていない、もしくは返済期日を決めていない借金に分類されます。
時効成立は難しい
冒頭でも述べましたが、時効成立はかなり難しいです。
まず借金をした相手(貸金業者などの法人や個人)が時効成立を阻止しようとします。どのように時効成立を阻止するかというと、主に行なわれるのが「裁判」と「差し押さえ」です。
借金返済を求める裁判の結果、返済しなさいという命令が下った場合は借金の時効カウントは取り消されてしまいます。
差し押さえは公正証書上で「差し押さえられても異議がない」という内容が書かれている場合、差し押さえされた段階で時効カウントは中断されます。
借金を踏み倒されてしまっては、貸主は利益を手にできませんし、貸したお金そのものも戻ってきません。
裁判や差し押さえがあれば、時効そのものが成立しなくなってしまう為、時効を使って踏み倒す事は難しいのです。
借金の時効援用のデメリットは?
仮に、借金の時効援用が認められたら、返済義務が無くなって借りた人が得をします。
しかし、時効援用は借金が帳消しになるというメリット以上にデメリットの影響が大きいのです。主なデメリットは次の2つです。
■時効で踏み倒した貸金業者から再度借金やローンを組めなくなる
■時効援用に失敗した場合は遅延損害金などで借金が増える
当たり前かも知れませんが、踏み倒した相手に再度借金を申し込んでも断られてしまうか出入り禁止になる事は間違いありません。まして、大手の貸金業者や銀行は「踏み倒した顧客」として記録されます。時効援用に失敗した場合、時効のカウントが中断されたり取り消されたりします。
そうなると契約時に約束した返済日から遅れた事による損害金として遅延損害金が上乗せされるのです。結果的に借金が消えるどころか、より大きくなってのしかかってくるのです。
時効による踏み倒しはやらない
ドラマ『時効警察』ではハラハラドキドキの展開が視聴者を楽しませてくれました。借金の時効消滅は、違う意味でハラハラドキドキです。
時効援用が失敗すると、更にドキドキしてしまい夜も眠れなくなってしまいます。
借金の消滅時効を利用して借金を踏み倒すのは借りた相手はもちろん、自分自身にも大きな影響があるという事を覚えておきましょう。
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